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「心配しなくていいよ」なりゆきからのスタート

  • inforeborn150nagan
  • 2 日前
  • 読了時間: 5分

「そんなに心配しなくていいよ」——成り行きに身を任せ、自分を取り戻した1年半


2年前、うつの悪化で退職し、実家で先の見えない療養生活を送っていたMさん。当時は「経済的にも精神的にも働かなきゃいけない、でも外に出るのが怖い」という葛藤の中にいました。そんなMさんが、カランコエという「誰も否定しない温かな居場所」でどのように変わっていったのかをお聞きしました。



Q. カランコエに来る前は、どのような状態でしたか?


うつの症状が本当に酷くて、実家で療養していました。薬を飲みすぎてしまったり、気分の波が激しくてイライラして物に当たってしまったり、夜も眠れなかったり……。本当につらい日々でした。

少し症状が落ち着いた頃、母が新聞広告でカランコエを見つけてくれたんです。就労移行支援がどんな場所かもよく分かっていませんでしたが、「外に出る練習にでもなればいいな」と、体験に行ってみることにしました。



Q. 最初の印象は覚えていますか?


実は、最初の授業(アドラー心理学)に遅刻してしまったんです(笑)。でも、教室全体がすごく優しい空気感で、すごく安心したのを覚えています。年代も性別もさまざまな人がいて、「ここなら自分も大丈夫そうだな」と思えて通い始めました。

最初は週3日から、興味のある授業を受けました。ずっと引きこもっていたので、外で何かを学んだり教わったりすること自体が新鮮で、「あ、ここいいかも」と、だんだん外に出ることへの抵抗がなくなっていきました。



Q. 通う中で、心境にどんな変化がありましたか?


一番大きかったのは、人と話すことへの抵抗がなくなったことです。最初は「何を言ったらいいんだろう」と尻込みしていましたが、みんなが自分の正直な気持ちを話しているのを見て、「あ、今の自分のままで、正直に言っていいんだ」と思えるようになりました。前職では上司の意見が絶対で、自分の気持ちをずっと我慢していたので、「もう我慢しなくていいんだ」と思えたのは本当に嬉しかったです。

それに、同じ境遇の仲間と接するうちに「自分は孤独じゃない」と知ることができました。自分の引っ込み思案なところや口下手な部分も、「これは悪いことじゃない。この特徴も含めて自分なんだ」と、個性として受け入れられるようになったんです。できないことは人に頼ればいいし、誰かの苦手は自分がサポートすればいい。そう思えるようになって、一人で抱え込むことがなくなりました。



Q. カランコエの環境や授業も、体調の回復を後押ししてくれたのですね。


はい、ネガティブな思考がぐるぐるして頭が重い日でも、授業でヨガやダンス、すけろくガーデンでの農業など、体をアクティブに動かすと不思議とすっきり抜けられました。座禅の「何も考えない時間」も、気持ちを明るくしてくれましたね。



Q. 就職活動はどのように進められたのですか?


毎日通えるようになってから、ハローワークに登録して求人を探し始めました。ただ、探し始めると「早くやらないと……!」と気持ちが焦ってしまって。いろんな求人をスタッフさんに提出したものの、焦りのストレスから1週間ほど通えなくなってしまったんです。

でも、その体験があったからこそ、「焦って同じ失敗を繰り返したくない。自分のうつや特性をしっかり理解してもらえる職場にしよう」と、大切な軸が決まりました。



Q. 今の職場とは、どのように出会ったのですか?


希望する職場に、まずはスタッフさんと一緒に面談に行きました。丁寧に説明していただけて安心しましたし、体験実習も1週間と2週間の計2回、じっくり行うことができました。

一緒に働く人たちも、同じようにうつやADHDなどの障害者雇用で働いている方々で、すごく優しくしてくれたんです。「ここで働きたい」と心から納得した上で、カランコエで練習した成果を活かして面接に臨めました。「ここは病気のことも隠さなくていい場所なんだ」と、正直に話せたのが良かったです。

今の仕事を始めて4ヶ月が経ちますが、本当に順調です。新しい業務も任せてもらえるようになり、分からないことは先輩たちが優しく教えてくれます。今後は少しずつ勤務時間を延ばしていく話も進んでいて、本当にありがたい環境です。



Q. カランコエに来る前の自分に、今声をかけるなら?


「そんなに心配しなくていいよ、不安に思うことなんてないよ」って伝えたいです。

「将来は割と成り行きで良くなるよ」って(笑)自分も、母に勧められて「行ってみるか……」という本当に成り行きからのスタートでした。でも、飛び込んでみたら良い出会いや良いことがたくさんあった。行動しちゃえば「あ、なーんだ、大丈夫じゃん」って思えるし、気持ちは後からついてきますから。



Q. いま、生きづらさを感じている方へメッセージをお願いします。


つらい境遇にいるなら、まずはしっかり休んで、ゆっくりしていいよと伝えたいです。

「何もしてない」と罪悪感でいっぱいになる時もあるかもしれないけれど、せっかくの自由な時間なんだから、好きな漫画を読んだり、ドラマをたっぷり観たり、何かに没頭してリラックスしてほしいです。そうやって自分の好きなことを見つけていけば、気持ちが落ち着いて、自然と良い方向へ進んでいけますよ。



【編集後記】

「成り行きで飛び込んでみたら、良いことがたくさんあった」と笑顔で語ってくれたMさん。自分を隠さず、お互いに助け合える仲間や職場に出会えたことで、Mさん本来の穏やかさと優しさが、今とても心地よく輝いています。

 
 
 

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